燃料サーチャージ|軽油価格の推移(過去30年間)を正しく理解して便乗値上げを防ぐ

ロジスティクス関連

2022年は物流会社から燃料サーチャージ導入のお願いをされた企業も多いでしょう。確かに急激な円安や原油価格の高騰で軽油の値段が上がっています。そして国土交通省や全国トラック協会の後押しがあって、千載一遇の値上げチャンスと考える物流会社の中には、収益性改善のため意図的に便乗値上げをしている会社があります。

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燃料サーチャージとは

燃料サーチャージとは、一般的に軽油価格の上昇・下落によるコストの増減を運賃とは別建てで設定する制度です。海外旅行などで使用する旅客航空の分野で知名度があります。トラック業界でも原油価格の高騰により2008年3月14日に国土交通省が「トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン」を発表した。一部の大手企業は燃料サーチャージ導入を決めたが、当時大半の企業で導入はされなかった。理由は大きく2つあり、1つにトラック運送業の多くは中小零細企業が大半を占めていて交渉力が弱かったこと、もう一つは軽油価格は一時的に高騰したが、反転して暴落したため導入する求心力を失ったのである。その後は軽油価格は緩やかに上昇・下落を繰り返している。2014年・2018年にも軽油価格が上昇して燃料サーチャージ導入の機会があったが、ほとんどの企業では導入されずに現在に至っている。

燃料サーチャージ導入が再燃している理由

軽油価格は2020年頃から上昇トレンドに入っている。上昇ペースが速いのと2013年頃の高値水準を超えて2008年の水準に到達する勢いなのが一因である。また「物流2024年問題」が深く関わっている。物流会社の人手不足を解消するため給与水準を上げようと政府が啓蒙している。そのため収入源の運賃値上げとなる。軽油価格の高騰を理由にすれば値上げが簡単にできると考えているのである。また物流会社と荷主企業の尻を叩くため、秋頃に実施する公正取引委員会からの調査アンケートで進捗状況を確認して、拒絶している荷主企業を吊し上げをしようとしている。

腑に落ちない理由は何故か

軽油価格の上昇も燃料サーチャージの仕組みも理解できる、しかし物流会社からの説明に違和感を感じる方も多いと思います。それは軽油価格の基準が@100円/Lのためでしょう。基準価格の根拠が不明確であったり、過去の値上げで受領したはずの燃料価格が考慮されていない点だと思います。

まとめ

まずは過去の値上げ資料を確認してください。そして値上げした時期と軽油価格を確認して、物流会社から提示された基準価格に整合性があるかを確認してください。

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