宿野かほるさんが前作「ルビンの壺が割れた」に続いて出した「はるか」です。『大どんでん返し』のPRに惹かれて購入しました。タイトルにもあるように過大な宣伝が裏目だと感じます。
賢人は小さな頃、海岸で一人の少女と出会い恋に落ちる。彼女の名は、はるか。大人になり偶然再会した二人は結婚するが、幸せな生活は突如終わりを告げた。それから月日は経ち、賢人は人工知能の研究者として画期的なAIを発明。「HAL-CA」と名付けられたそのAIは、世界を一新する可能性を秘めていた。
『はるか(新潮文庫)』裏表紙より
あらすじ
序盤、主人公の2人の出会い。ある夏の日、賢人は海岸で珍しい鉱石を探している。その海岸に旅行で訪れていた、はるかに出会う。ひと夏2人は短い時間を過ごして別れる。それぞれ違う人生を歩む。偶然再会することで大きく2人の人生は変わる。中盤、それぞれ別の道を進んできた2人は会話を重ねて結婚。幸せの絶頂で不慮の事故で終わりを告げる。賢人は仕事に邁進して研究者として成功して新たなパートナーと結婚して順風満帆な生活を送る。終盤、賢人は「HAL-CA」と名付けたAIの開発に没頭して私財と会社の資金をつぎ込む。出来上がった「HAL-CA」は世界を震撼させる技術があるが。。。
感想
まず人生は順風満帆じゃないよ。
表紙の帯宣伝を見ると今回の作品は「新書」と「文庫本」でエンディング異なるようです。私が読んだのは文庫本です。「大どんでん返し」と宣伝されているため期待を膨らませて読みましたが、エンディングを予想出来ました。一般的にAIや人工知能を取り扱った作品や漫画など多くあり珍しいエンディングではなかったと思います。また布石になっていた鉱物の特徴からも読み解けると思います。
「ルビンの壺が割れた」とは違って読み終えた余韻は悪くないです。しかし印象に残るかと聞かれたらNOですが、良い作品だと思います。宿野かほるさんの作品は読みやすいのでサクッと読めるのが魅力だと思います。他の作品がでたら読みたいと思います。
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